澄んだ空気を窓から感じながら、エリーは首に指輪が二つ下がっているネックレスを掛ける。
髪を整え、鏡で姿を確認する。

準備は万全だ。
エリーとリヒトが顔を見合わせ、二人同時に頷く。

「レイラ様、忘れ物です!」

「え? あ、ごめんなさい。ティーナ」

外に出ようとして、ティーナに呼び止められる。
エリーは苦笑して、荷物を受け取った。

ティーナはどこか呆れたような、楽しそうな笑みを浮かべている。



風の都の街外れの、小さい家。
そこに、エリーはティーナと暮らし始めた。

まだ解いていない荷物もあるが、引っ越しは大体済んでいる。

「ウィリアム様を待たせてしまいますよ」

「はーい。ティーナ、本当に一緒に来なくていいの?」

「はい。私はまだ都の探検がございますので」

「ふふ、わかった。行ってきます」

「行ってらっしゃいませ」