暖かい日差しがテーブルに映り、カフェオレの湯気がほのかに光って見える。

ソファに腰を下ろしながら、エリーはぼんやりとその景色を見ていた。


「本日は、その、お越しいただいて……」

ティーナが震える声で言葉を伝える。
エリーの方を向かず、不安そうに目を泳がせている。

それもそうだろう。エリーはティーナのことを覚えていない。
小さい頃から知っていたと言う彼女が不安になるのも理解できることだ。

隣にウィリアムの気配を感じながら、エリーはぎゅっと膝の上で拳を握る。

そして真っ直ぐに、ティーナを見つめた。

「大丈夫です」

エリーははっきりと口にする。
そして申し訳なさそうに眉を下げた。

「……私のこと、教えてください」

「……わかりました」

ティーナがそんなエリーの目を見て、そしてゆっくりと深呼吸をする。