到着した場所は、大地の都、レームだった。
「やっと、着いた」
しみじみと言うリートに、エリーは笑う。
確かに、前回より時間が掛かったような気がする。
「お待ちしておりました、エリーさん」
にっこり笑って穏やかな声でそう言うのは、シャールだ。
「お久しぶりです、シャールさん」
雰囲気に和みながら、歩き出す二人にエリーもついていく。
森に囲まれた街は自然の香りで溢れていた。
森のお茶会の時は、たくさんのお菓子でリヒトが目を輝かせていた。
その光景が目に見えるようで、エリーは切なそうな顔をする。
「お、来たか」
爽やかに笑うカイ。
後ろには自身の経営している宿が見える。
「いい部屋が余ってんだ。今日は泊まっていくだろ?」
その言葉に、エリーは困ったようにリートを見る。
リートは力強く頷く。
それを見て、エリーもおそるおそる頷いた。