「ちょ、ちょっと待ってください」
「あ? なんだよ」
「外へ出るなら、玄関から出ます」
「そうか?」
そう言ってシェルはエリーの手を離す。
「じゃ、外で待ってる」
楽しそうに笑い、そしてシェルは窓の外へ飛んでしまった。
羨ましい身軽さだ。
エリーは深呼吸をして、部屋を出た。
外へ出るのは何日ぶりになるだろう。
靴を履き、玄関の扉を開く。
街の香りがふわりとした。なんだか懐かしく思ってしまう。
「じゃ、行くか」
シェルについていくように、エリーも歩き出した。
「どこへ行かれるんですか……?」
「最高の場所だ」
得意気に言うシェル。
エリーは不安そうな顔でシェルについていった。