妖精たちの舞台が終わり、祭りもまた終わりへと向かっていく。
帰る準備をしている者たちの賑やかな話し声が聞こえてくる。
エリーたちもまた、フローライト家に向かうべく屋台の集まる広場を抜けていく。
「今日は楽しかったわね、エリー」
「はい! とっても楽しかったです」
「どこの祭りが一番気に入ったんだ?」
「難しいですね……でもやっぱり、風の都でしょうか」
「ちぇっ……やっぱ住んでるとこ贔屓するよな」
「ふふ、火炎の陣もとても楽しかったですよ」
まだちらほらと人々が楽しんでいる中で、賑やかに足を進めていく。
そうしていると、ふと懐かしい香りがしたような感覚を覚えた。
そして、その時は唐突にやってくる。