「待ってたわよ、エリー」

「すみません。お待たせしました」

「もうすぐカフェオレが来るはずよ」

「ありがとうございます」

その時ちょうどカフェオレが運ばれ、二人でひと息つく。
そして本題に入るかのように、アンナは身を乗り出した。

「実はね、エリーにお願いしたいことがあるの」

「お願い、ですか?」

「そう」

アンナはにんまりと笑う。
エリーはそんなアンナを不思議そうに見つめる。

「もうすぐ、空の散歩があります」

「空の、散歩?」

「風の都の祭りのことよ」

「あぁ!」

驚いたような表情のエリーに、アンナは楽しそうに笑う。

「それで、今年の実行委員長は私なの」

「そうなんですか?」

「そうなの」

得意気に言うアンナに、エリーは小さくぱちぱちと拍手をする。