「こんにちは、テオさん」
「ど、ども」
目の前にいるテオは、いつもより少し大人びた服装をしていた。
しかし緊張しているように赤らんだ頬は、いつも通りのテオだ。
エリーは微笑んで、テオを見つめる。
「今日はよろしくお願いします」
「こ、こちらこそ! よろしく」
そう言って外に出る。
そして街に向かって二人で歩き始める。
「あ、あのさ、おれ、デートとかよくわかんなくてさ」
「はい」
「だ、だから、一緒に楽しめるとことか、色々考えたんだけど」
「はい」
一生懸命話すテオに、エリーは相槌を打つ。
「でも、つまんなかったら、途中でもいいから正直に言ってくれ」
不安そうな表情をするテオに、エリーは微笑む。
「大丈夫ですよ。テオさんと一緒でしたら、どこでも楽しいです」
「……そういうこと言うんだもんな、お前は」
「そういうこと?」
「なんでもねぇよ。じゃあ行くか!」
少しむず痒そうな顔をして、テオは緊張が少しほぐれたように笑った。
エリーもまた、どこへ連れていってもらえるのか楽しみにしながら、テオについていく。