「……そろそろ、プール行くか」

「は、はい」

「浅いところなら大丈夫だろう」

「そうですね」

「……お前も、来るか」

そう言って立ち上がったウィリアムはテオに視線を向ける。
身長差があいまって、テオは見下ろすウィリアムに威圧感を感じる。

「い、いえ……おれは、いいっす。じゃ、じゃあね、エリー」

そう言って慌てたように去っていく。
エリーはその後ろ姿を見送り、そしてウィリアムを見上げる。

「ウィリアムさん?」

「なんだ」

心なしか無表情に戻っているような感じをエリーは覚えた。
最近は随分と表情が読めるようになってきたが、まだまだだ。

「いえ……なんでもないです」

エリーは少し残念に思いながら、ウィリアムと共にプールへ向かった。