「……お前はあっちの世話だ」

そう言ってダニエルの背中を押したのはウィリアム。
あっち、というのは、シェルとサラのことだろう。

「……シェル」

「お、おう」

「……大丈夫?」

「お、おお、おう」

シェルが全くサラの方を向かない。
それどころか、会話もままならないようだ。

ダニエルは大きくため息をつく。

「仕方ないな。行ってくるよ」

「ああ」

そう言ってダニエルはシェルとサラの元へ行く。
地面に穴が開きそうなくらい視線を逸らさないシェルの肩を叩く。

「サラの水着姿はよく似合ってるな、シェル」

「お、おう」

「……見てないのに、わかるの?」

「あ、ああ、おう」

サラの言葉にも上手く反応できていない。
そんなシェルの姿を見て、リヒトは大袈裟に肩を竦めた。


「……大丈夫か」

エリーに声を掛けるのは、ウィリアム。