街の西側へ行くと、そこには確かに街の数倍は水の流れる大きな公園があった。
あちこちが階段のようになっており、水が絶え間なく流れている。

人の通る道には水は流れていないようだが、ぼーっとしていたらすぐに足を濡らしてしまいそうだ。

「素敵ですね」

「すげぇよな」

そうして公園を回ろうとすると、すぐそばの泉からひょこっと顔が出てきた。
エリーは驚いたようにビクッとする。

しかしよく見ると、それはビアンカだった。

「ハイ、エリー」

「ビアンカさん、こんにちは」

「来てくれたのね」

「もちろんです」

「あら、シェル坊もいるのね」

「……気付いてただろ」

「ごめんね。見えてなかったわ」

「そこまで身長低くねぇよ!」

シェルの言葉にビアンカがふふっと不敵に笑う。

「この街はいいでしょう?」

「はい! とっても素敵です」

「エリーならそう言うと思った。楽しんでいって」

「もちろんです!」

そして尾びれを揺らしながら、エリーに手を振った。

「じゃあそろそろ行くわね。明日の準備をしなくっちゃ」

「はい。明日、楽しみにしてますね」

「えぇ。素晴らしい祭りにするわね」

そう言ってビアンカは泉に奥へ潜っていった。
どうやらこの公園の泉は、海に繋がっているようだ。

明日の祭りを楽しみにしながら、エリーはシェルと街を散策した。