「そういえばいたな。オレ、あんま話したことねぇけど」
「私に似てますか?」
「んー、似てるかなぁ。顔は若干似てるかもな」
そしてシェルはハッとしたように言う。
「あ、名前は似てるな。確か、エリカだったっけ。ウィルの妹」
「……そうなんですか」
「親しい人はエリーって呼んでたみたいだな」
「……やっぱり。やっぱり、私」
エリーは震える手を抑えるようにして握る。
「妹の、代わり、なんでしょうか」
「ウィリアムがそう言ってたのか?」
「いえ……あの、アンナさんとウィリアムさんが言い合っているのを聞いてしまって……」
「あぁー」
シェルが唸って、笑った。
「そういえばアンナ、すげぇウィルの妹気に入ってたかも」
不安そうにシェルを見るエリー。
シェルは笑って、エリーの頭をガシガシと撫でまわした。
「まぁそんな気にすんな。気になるようなら、アンナやウィルに直接聞いてみたらいいよ」
シェルはそう言って、エリーを真っ直ぐに見つめる。
「オレは、お前のこと誰かの代わりだなんて思ったことねぇ」
「……シェル」
「ウィリアムもそうだと思うぞ。代わりだとか、そんな器用なことできるタイプじゃねぇだろ」
そう言ってにかっと笑う。
「大事なんだろ? 信じてやれよ」
シェルの言葉に、エリーはふっと息を吐く。
少しだけ、気持ちが楽になったような気がした。