泉に着くと、そこに妖精の姿はなく、静まり返っていた。
思っていたよりも、ずっと暗い。
泉に月が反射している程度の灯りだ。
気分を変えたくて泉にやってきたが、気分は沈む一方だ。
落ち込んでいるエリーを、リヒトは頑張って慰めようとしている。
その気持ちは十分に伝わっているが、エリーは今笑える自信がなかった。
ぼーっと泉を見つめる。
ウィリアムはエリーが部屋にいないことに気が付いているだろうか。
アンナとは何故あのような話をしていたのだろうか。
ウィリアムには妹がいたのだろうか。
そしてエリーは、その妹の代わりにされているのだろうか。