「うーん……実はね、ウィルと付き合ってる時、ダニーに告白されたのよ」
「ダニエルさんにですか?」
「そう。ダニーはウィルにとって大事な友人だし、二人は私にとって大事な幼馴染だしって考えたら、まずいって思っちゃってね」
「そうなんですか……」
「だから全てなかったことにしたの。ダニーにもちゃんと話して、ウィルとは別れて、全部元通り、幼なじみの関係」
「元通り……ですか」
「……そうね。全部元通りになんて、なるわけないのにね。若かったわ、私」
そう言ってアンナは切なそうに笑う。
「ウィルのことは、子供の頃から好きでね。告白も私からだったし、愛されてる実感が全くなかったっていうのも別れた理由の一つだったかも知れないわ」
「そう、ですか……」
「でも別れ話をした時、初めてウィルの辛そうな顔が見れたの。正直、予想外過ぎてどうしていいかわからなかった」