渡された制服に着替えるエリー。

膝丈のワンピースに、白いエプロン。
胸の辺りのリボンをぎゅっと結ぶ。

着替え終えたことをリザに伝えようとすると、そこには同じ制服を着たリザの姿があった。

「……リザさんも、やられるんですか?」

少し驚いたように目を丸くするエリー。
リザは少しむっとしたように腕を組んだ。

「指示や対応はメニューを取りながらでも出来るわ。……諦めかけていたけど、あなたのおかげで失敗を失敗のまま終えずに済みそうよ」

どうもありがとう、と小声で付け足すリザ。
そんなリザに笑顔を返し、二人で店内へと足を進めた。

同じように準備を済ませた少年と、店内で遭遇する。
目が合うと、少年はにかっと笑った。

「そういえばまだ自己紹介してなかったよな。おれ、テオ。よろしくな」

「本当ですね。私はエリーです。よろしくお願いします、テオさん」

にっこり笑って返すと、テオは少し照れたように笑った。

「さぁ、気合い入れていくわよ」

リザの言葉に二人で頷く。
こんな所でのんびりしている場合ではないのだ。

どこか余裕を取り戻したようなリザの笑顔に、エリーは安心したように微笑んだ。