「そろそろ出発ですか?」
「……ああ」
そうして全員で木々の間の道を歩き始める。
後ろを振り返ると、リートとシャール、そしてカイが見送ってくれている。
手を振ると、三人もまた手を振り返してくれる。
ウィリアムは相当都の雰囲気が好きなようで、帰り道の風景も熱心な表情で見回している。
「……楽しかったな」
ぼそっと呟くと、前を飛ぶリヒトが大きく頷きながらエリーを向く。
「エリー」
突然肩を組まれ、まるで歌のように名前を呼ばれる。シェルだ。
「帰り道もお前の好きそうな景色だらけだからな、見逃すなよ」
「はいっ」
そう言って前を向くと、楽しそうな皆の笑顔。
そして木々の隙間から差し込む光が、エリー達の進む道を照らしてくれていた。