二人で宿に戻ると、既にそこには全員が集合していた。
「お待たせしてしまって申し訳ありません」
「いいのよ、気にしないで」
アンナが楽しそうに笑って、エリーに荷物を渡す。
その荷物を抱えて、エリーは改めてリートに向き直る。ここでお別れだ。
「リートさん、ありがとうございました」
「こちらこそ。気が向いたらまた来てくれ」
「はい、ぜひ!」
全員がお互いに挨拶を交わす。
シャールとカイもまた、エリーの傍にやってきた。
「エリーさん、レームはいかがでしたか?」
「とても素敵な街でした!」
「はは、即答だな」
「お祭りも楽しかったです。どうもありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ」
「ありがとな」
全員の挨拶が一段落つくと、ウィリアムはエリーに近付く。
少し残念そうにしているのは、やはりこの大地の都が好きだからだろうか。