朝の早い時間に、突然呼び鈴が鳴った。
薄い水色のワンピースに、胸元に伸びる亜麻色の髪を高い位置に結ぶ。
そんな身支度を済ませ、朝食を用意していたエリーは不思議そうに玄関を見る。
扉を開けると、勢いよく肩を掴まれた。
「エリー! 助けてくれ!」
あまりの勢いにエリーは驚き、その声の主を唖然と見た。
エリーの肩を掴んで涙目になっているのは、シェルだ。
一体何があったのだろう。
エリーはとりあえず冷静にシェルを家に上げることにした。
「あ、悪い」
コトン、とシェルの前にカフェオレの入ったカップを置く。
向き合うようにして座り、エリーはカフェオレを一口飲んだ。
「……それで、どうなさったんですか?」
エリーが切りだすと、眉間にしわを寄せてカフェオレを睨んでいたシェルがびくっとした。
そして顔を赤くしたり青くしたりと、突然百面相を始める。
エリーは不思議そうにその光景を眺めた。