「……どこ?」
リヒトの時と同様に迷子になってしまったのだろうか。
しかし先程までは確かに知っている街を歩いていた。
人の気配はなくなってしまっていたが、確かにエリーの知っている街だったのだ。
猫の姿も見失ってしまい、リヒトも今は傍にいない。
エリーは心に不安が募っていくのを感じながら、歩き出した。
歩いていれば知った道に出るだろう。
もう何度もエリーはこの街を歩いている。
今や知らない道なんてないと思っていたほどだ。
しかし今は全く知らない道を歩いている。
不思議に思いながら、エリーは歩き続けた。