俺が誰とも口を聞こうとしなかった理由。それは、あの頃の出来事が原因だった。
幼稚園の頃、俺には仲の良かった友達が居た。毎日良く遊んでいて、とても楽しくて仕方が無かった。
この日はずっと続く。そして、俺達はこれからも友達でいて、大人になってもずっと一緒だと思っていた。
でも、冷たい現実がそれを夢だと嘲笑った。
ある日、いつもの様に遊んでいた時、遊具の取り合いで喧嘩になった。その時俺は、
「もう、ともだちじゃないもん! だいっきらい!」
そう吐き捨てて公園を飛び出していった。その時は、また明日になって謝ればいい。そんな事さえ思った。でも、その現実はもう訪れなかった。
友達は、交通事故で亡くなった。
最初は、そんな現実を受け入れられなかった。俺は、その時に後悔した。俺が、あんなことを言わなければ、友達は今も生きていて、今も仲が良くて、大人になっても永遠と仲が良いままで……でも、それは叶わなくなった。
その突然の別れが、暗い影を落とした。