第2話「嫌味なクラス委員と恋する少女」
*
あれは、5月になろうとしていたような時期だったと思う。
「今度の土曜日出かけよう!」
唐突に、阪南はそう言ったのだ。それは、昼休みで弁当を食べていた時だった。
「……ん? 何でという顔をしてるね」
唐突に言われたら誰でもそうなるだろう。彼女は割と天然なのか?という疑問を最近、抱き始めていた。
まあ、天然なのかどうかは本人にはわからないので、その疑問はぶつけてはいない。俺にとっては、彼女は天然だなという感想がでてくるが。
「……まあ、さ。 二人で遊びに行った事がなかったから行きたいなって……」
彼女は突然ぶち込んでくる。それはまるでデートのようなノリだ。
「それに、……だし」
「……なんか言ったか?」
「何も?~」
これは、阪南が小声で何か言ったのに気づき、疑問に思った俺は何か言ったかを確認するが、誤魔化された図だった。
しかし、彼女が友達と一緒にどこか出かけたいというのなら仕方がない。
俺は、阪南の誘いに乗る事にした。