真生はひとり、地下へと続く階段を下りていた。

 地下とはいえ、上の踊り場の窓から差し込む光で明るいのだが、やはり、何処かひんやりとしている。

 上の階からは、生徒たちの騒ぐ声が聞こえてくるのに、ここだけ学校という空間から、切り離されたかのように、しんとしていた。

 暖かい場所から冷たい場所に向かっているせいか。

 頭がくらりと来るような、足先がふわふわするような、そんな不思議な感覚に真生は襲われた。

 いや、この場所のせいではないのかも、とちょっと思う。

 あれを見てから、時折、こんな風になるからだ。

 あの夕陽の中に滲むように浮かんでいた三機の戦闘機――。