店を出た真生は高坂と並んで、病院への道を歩く。

 道は簡易舗装しかされておらず、夏にはアスファルトが溶け出して、靴の裏がベタベタになるらしい。

 そして、マンホールの蓋はコンクリートのようだ。

 物珍しく観察していた真生は、坂道の手前で、その細長く四角い箱に気がついた。

 どうやら、キャラメルの自動販売機のようだった。

 自動販売機は、キャラメルと同じ色形で、テレビ画面とスピーカーがついている。

 キャラメルを買うと、活動写真と音楽が流れる仕組みのようだった。

「どうした。欲しいのか」

 一緒に足を止めた高坂がそう訊いてくる。