高坂はいつもは病院の食堂で夕食を食べているようなのだが、今日は真生もいるので、近くのレストランに連れていってくれた。

 ま、レストランというか。

 食堂かな、と真生はその店を見回す。

 シンプルな外観と店内で、然程、違和感はなく。

 まあ、今でもあるよな、こういうレトロな感じの店、という感じだった。

 ビーフシチューとかあるし。

 ……ビーフシチューだよね、これ。

 子牛のシチウって。

 この時代でも、シチウって書くのかな。

 それとも、この店古いから、昔の名残りで、シチウって書いたままだとか。

 昔の人にとっても、レトロなものというのはあって、それを粋に感じていたのだろうと思うと、ちょっと面白い。