奥に寝室があるから使えと言う。

「ここは、この部屋以外は完全に廃墟だからな」

「いいですよ。
 人様のベッドを取り上げようとは思いません」
と言うと、

「そうか。
 じゃあ、一緒に寝るか」
と高坂は軽く言ってくる。

 ……いや、勘弁してください、と思いながら、真生は読みかけの文書に視線を向けた。