「おっ、斗真」

 斗真が階段を下りていると、下の階の廊下に居た部活の顧問でもある地理の教諭が呼んでくる。

「如月が地図取りに行ったから手伝ってやってくれ」

「真生が先生のとこ行ったの、結構前ですよ」
と言ってみたが、そうだな、と笑っている。

 相変わらず、呑気な男だ。

 仕方ない、と斗真も真生に遅れて階段を下りていった。