真生は、昭子が消えた院長室へと続く廊下を見た。

 やはり彼女は似ている気がする。

 学校の地下室で会った、あの女と――。

 まるで過去の幻影のように頼りない姿だったので、確証はないが。

 そちらを見たまま、真生は呟く。

「私、昭子さんに会ったことがある気がします。

 未来で」

 そんな他人には理解されがたいことを呟いたが、高坂は、
「……そうか」
と相槌を打っただけだった。