彼女が居なくなったあと、真生は高坂に訊く。
「あの、なんで不死身の高坂って呼ばれてるんですか?
戦場で死にそうになりながらも、武勲(ぶくん)を上げたとか?」
莫迦か、と高坂は切って捨てるように言ってきた。
「俺が軍に入ってから、まだ日本は戦争に参加していない」
じゃあ、なんで不死身なんだと思っていると、高坂は笑う。
「俺が夜道で数十人の暴漢を斬り伏せたとかいう伝説が勝手に出来上がってるんだ。
ところで、お前、まだ未来とやらへ帰らないのなら、俺の仕事を手伝え。
ここは信用できない奴ばかりだからな」
なんだかそういう言い方されると、未来って地名のところから来たみたいだな、と思いながら、
「さっきの愛人志望の人でいいんじゃないですか?」
と患者やナースの行き交う奥の廊下を見ながら言うと、
「あんな金ですぐ転びそうな奴を使えるか。
お前が未来から来たというのが本当なら、この時代にはなんの利害関係も生じていないはずだ。
使えるだろう」
と言う。
なるほど、合理的だ……。
「あの、なんで不死身の高坂って呼ばれてるんですか?
戦場で死にそうになりながらも、武勲(ぶくん)を上げたとか?」
莫迦か、と高坂は切って捨てるように言ってきた。
「俺が軍に入ってから、まだ日本は戦争に参加していない」
じゃあ、なんで不死身なんだと思っていると、高坂は笑う。
「俺が夜道で数十人の暴漢を斬り伏せたとかいう伝説が勝手に出来上がってるんだ。
ところで、お前、まだ未来とやらへ帰らないのなら、俺の仕事を手伝え。
ここは信用できない奴ばかりだからな」
なんだかそういう言い方されると、未来って地名のところから来たみたいだな、と思いながら、
「さっきの愛人志望の人でいいんじゃないですか?」
と患者やナースの行き交う奥の廊下を見ながら言うと、
「あんな金ですぐ転びそうな奴を使えるか。
お前が未来から来たというのが本当なら、この時代にはなんの利害関係も生じていないはずだ。
使えるだろう」
と言う。
なるほど、合理的だ……。