だが、高坂は、しれっとした顔で、
「これは俺の新しい愛人だ」
と言い出した。

「もうっ、高坂さんったらっ」
と愛人希望なんだかなんだかわからないその女は多少引きつりながらも笑っていた。

「……誰が愛人なんですか」
とその愛人二号が去って行くのを見送りながら、真生が言うと、

「細かい説明がいらなくていいだろう」
と高坂は言う。

 愛人か。

 斗真と同じ精悍な顔で言われると、かなり妙な感じなのだが。

 ちらと高坂を見上げながら、もし、斗真がこんな性格だったら……。

 ま、とりあえず、友達はやってないかな、と思った。