「院長のあの傷は殴打の傷だそうだ。
暴漢に襲われたという話だが。
昭子夫人が血のついたなにかを手にうろついていたのを見たとかいうウワサもあるな」
……なるほど。
「だが、俺も疑われている。
院長が病院内で背後から襲われて、犯人の顔を見ていないと言うから」
と高坂は笑う。
いやそこ、笑うとこなんですかね? と真生は思った。
院長たちだけでなく、この男も充分おかしい。
「しかし、院長が見ていないというのは本当なんですかね?
犯人をかばっているとか?」
と言うと、そういう可能性もあるな、と高坂は認めた。
「その場合、高坂さんは犯人ではないですよね。
あなただったら、院長がかばう必要はないですから」
「そうだな。これ以上ないくらい仲が悪いからな。
腹違いの兄弟なのに」
いや、だからでしょうよ……。
暴漢に襲われたという話だが。
昭子夫人が血のついたなにかを手にうろついていたのを見たとかいうウワサもあるな」
……なるほど。
「だが、俺も疑われている。
院長が病院内で背後から襲われて、犯人の顔を見ていないと言うから」
と高坂は笑う。
いやそこ、笑うとこなんですかね? と真生は思った。
院長たちだけでなく、この男も充分おかしい。
「しかし、院長が見ていないというのは本当なんですかね?
犯人をかばっているとか?」
と言うと、そういう可能性もあるな、と高坂は認めた。
「その場合、高坂さんは犯人ではないですよね。
あなただったら、院長がかばう必要はないですから」
「そうだな。これ以上ないくらい仲が悪いからな。
腹違いの兄弟なのに」
いや、だからでしょうよ……。