もっと似ていなかったら、顔のせいでそう見えるのかなとも思えただろうに。

 そう。
 自分は高坂の生まれ変わりではない。

 前世の記憶もなく、死んだときのトラウマもない。

 そして、遠からず、真生にもそのことがハッキリわかってしまうことだろう。

 でも、俺からは教えない、と斗真は思う。

「だって、あのとき言ったろ? 真生。

 俺は卑怯者だから――」

 斗真はそう呟き、今は戦闘機の影もない、夕暮れの空を見上げる。