「真生は? 一緒に帰らないの?」

 斗真は帰り道、夏海に訊かれた。

 また、津田秋彦のところだろう、と思う。

 真生は自分がここに連れて来た以上、責任があると思っているようで、秋彦を見張っている。

 というか、彼と話しているときは、あの時代の空気に触れられるので、そこに居るのを好んでいるというか。

 ……っていうか、いいのか、あいつ。

 確かに医師免許は持ってるし、死んでないから、無効ではないが。

 全く年齢が合っていないのだが。

 まあ、八咫理事長がついているから大丈夫なのだろうが。

 やがて、夏海とも別れ、斗真はひとり、家へと向かう。

 真生は自分に高坂を重ねて見ることはないようだった。

 残念ながら、似過ぎているが故に、よりわかるようだった。

 自分が高坂の生まれ変わりではないことが。