廊下に出ると、可愛らしい男の足首を……お前に殺された、と言いながら、這う男が掴んでいるのが見えた。

 だいぶ迷走してるな、と思う。

 なにかの気配を感じたらしい男子生徒は悲鳴を上げて、逃げていく。

「もう成仏したら?」

 真生が残された霊にそう話しかけると、霊は、ちら、とこちらを見上げたが、特に興味もないように、そのまま這って行ってしまう。

 ……最早、ただ、そうしているのが好きなだけなのかもな、と思い、見送った。