「起きろ、真生っ」

 シャッとベッドの周りのカーテンが開けられ、真生は目をしばたたいた。

 夕暮れの日差しが保健室に満ちている。

 どうやら、放課後のようだった。

「いつまで寝てんだ」
と八咫の病院から派遣されて来ている保健医に怒られる。

「いや~、なんだか昏々と眠っちゃって。

 この間、創立記念祭が終わって、これで全部終わった気がしたからですかね」

 そう言うと、
「……あのときもう全部終わってたろうが」
と茶髪に白衣の彼は、夕陽の差し込む窓際の椅子に腰掛けながら、そう言う。

 この茶髪をうるさい女教師にいろいろと言われていたが、
「地毛です」
と答えていた。

 いや、本当だ。

 そのことは、自分も八咫理事長もよく知っている。