荘厳な曲が鼓膜を震わせ、秋彦は意識を取り戻した。

 荘厳な――

 いや、旋律自体は意外に単純なようだが、それが響きのあるこの音色を一層引き立てていた。

 ……パイプオルガン?

 どこか寂しく、それでいて、どこかに救いのある音だった。

 秋彦は目を開けた。

 ステンドグラスから降りそそぐ夕暮れの光を受け、少女がパイプオルガンを弾いていた。

 先程の少女だ。

 美しい光景だな、とぼんやり思う。

 さっきまで、自分に銃を突きつけていたとは思えない。

 この世の穢れからは遥か遠い場所にあるようだ。