いつか、あなたに恋をする――

「あの日、お前の言った通りに、日本は負けた。

 だが、私たちの望んだ未来はその先にあった。

 お前の望む未来も、高坂との縁を断ち切ったあとにあるのかもしれないな」

「慰めをありがとうございます。
 もう行きます」

 八咫はもう止めなかった。

 真生は、すうっと息を吸い、嗅ぎ慣れた病院の匂いを胸に入れる。

 病院の匂い。

 高坂さんの匂いだ。

 真生は人々が行き交う廊下の先を見つめた。

 そこに彼の言う、自分たちの未来があるかのように――。