いつか、あなたに恋をする――

 真生が埃の溜まった床に、自らの血液を使って描いた魔法陣は、慣れない作業ゆえに歪んでいた。

 寝ている子供は重いというが。
 大人なら、なおのこと。

 ましてや、死んでいるのか生きているのかわからない身体なら――。

 力の残っていない手で、斗真の脚を掴み、その中心に引きずり込む。

 なめくじの這ったような痕が残ってしまい、更に図形が崩れた。

 誰かが覗いている。
 恐らく昭子だ。

 彼女は隙を見て、このノートを持ち去るだろう。

 だが、それでいい。

 彼女がこれを運んでくれない限り、私の許に、このノートが現れることはないのだから。

 彼女がここから持ち去り、また私に渡した。

 では、このノートはどこから現れたのか。

 この恋と同じだ、と真生は思う。