いつか、あなたに恋をする――

 



 真生は天井の蛍光灯の位置を確認し、中心点を見定める。

 既に事切れているのかもしれない斗真の足を掴み、引きずった。

 空いているスペースに横たえると、机を押して動かし、空間を作る。

 昭子さん。

 真生はノートを閉じ、かつて同じ儀式をした者に向かい、呼びかける。

「なんの犠牲もなしに、なにかを得ようなんて無理なんですよ」

 生け贄のない黒魔術なんてない。

 かけるのは、自らの命――。

 真生はカッターで左の手首を切った。

 他人の血で幾ら魔法陣を描いても無駄だ。

 この儀式に必要なのは、蘇らせたい魂のために、命をかける覚悟。

 ただ、それだけ――。