いつか、あなたに恋をする――

 過去のどこかへ、レコードの針が飛ぶようにおかしな飛び方をする、この流れは止められないのか。

 刺されることよりも、真生があの男の許へ飛び続けることが怖い。

 どんどん真生が自分から遠ざかっているようで。

 そんなことを考えていた自分の前にあの女が現れた。

 焼けただれた百合子の友人の看護師、多江たえだ。

 前からここに居たのだろうが、過去に飛ぶまでは見えなかったのに。

 下手にその人物を知ったり、思い入れをしたりすると、波長が合ってしまうのかもしれない。

 女は焼けた腕を自分に向かい、突き出してくる。

『……こ、うさか、さん……』

 自分を高坂と間違えているようで、少しずつ、こちらに近づいてくる。

 逃げなければと思ったのだが、その無惨な姿に、他の霊のように見ないふりをすることは出来なかった。

 今日は目隠ししてくれる真生も居ない。