いつか、あなたに恋をする――

「ノロノロしてたら、自分そっくりな男に、なにもかも持ってかれるって気づいたからだよ」

 そっくりか……、と真生は呟く。

 確かに顔はそうかもしれないが。

 そのせいで、余計に違って見えるのだが。

「……まだ飛んでるのか?」

「そうね。
 斗真もまだ飛んでるの?

 やめればいいのに。

 死ぬわよ」

「笑えないこと言うなよ。
 死ぬんだろ?」

「どこかに縛り付けておいてあげましょうか。
 二度と飛ばないように」

 いや、もう刺されたみたいだけどね、と思いながら、真生、と抱き寄せようとする斗真の手からのがれる。

「帰ろう、斗真。
 夜中にピアノを弾く霊が出るって話になっちゃうよ」