いつか、あなたに恋をする――

「お前、八咫を知っているのか」

 はい、未来で、と真生は言った。

「八咫さんは私を知らなかった。

 ということは、八咫さんがここへ帰ってこられたあとに、この私は居なかった、ということです」

 他の人間ならともかく、あの八咫に存在を隠すということは無理なはずだ。

「私はまた、更に過去に戻るかもしれませんが、もうあなたに会うことはないでしょう」

「……じゃあ、今から八咫を殺してこよう。
 そしたら、お前は消えなくていい」

 真生は苦笑する。

「八咫さんでしょ? 逆にやられちゃいますよ。

 絨毯で丸められて、軽く肩に担がれて、捨てられちゃいます」

 まあ、病原体の抗体を持つ高坂を殺すことはないだろうが。

 それに、八咫が来たから自分が消えるわけではなく、自分が消えたあとに八咫が帰ってくるというだけだ。