いつか、あなたに恋をする――

 既に焼け落ちている廃病院の端を見ながら高坂は言う。

「だって、お前、いつまでここに居られるのかわからないんだろ?」

 そうですね、と真生は抵抗しかけた手を止めた。

 そのまま一緒に廊下の向こうから這い寄る男の霊を見つめる。

「あなたにとっては、最後ではないけれど。

 私にとっては、たぶん、それが最後――」

 真生は振り向き、そう言った。

 そんな真生を強く抱き締め、口づける。

 星空の下、二度とあの揺らぎが来ないことを願いながら――。