いつか、あなたに恋をする――

 そのとき、
「高坂さん、どうかしました?」

 ひょいっと、廃病院の方から真生が顔を覗けた。

「おい、斗真とやらが、刺されてたぞ」

 ええっ? と真生は声を上げ、あちこち見回していた。

「斗真、どこに行きました?」

「わからん。
 またあの揺らぎが来て、どこかへ飛んでった」
と言うと、そうですか、と溜息をついた真生の腰に手をやり、抱き寄せる。

「ちょっと離してくださいよ。
 斗真が死にかけてるんでしょ?」
と言ってくるので、

「だが、あいつが飛んでったということは、あいつを助けるのは、今のお前じゃないということだ」

 そう言い、自分を払おうとした手を掴んで、その手の甲に唇を寄せる。

 もう、と真生は赤くなった。