いつか、あなたに恋をする――

 今まで見えたこともなかったのに、何故、この女と居ると見えるんだ? と思った。

 叔父の部屋は彼が出征していったときのままだった。

 真生がクローゼットの扉を開けると、中から黒い円盤のようなものが転がり出て来た。

 レコードだ。

「これ……傷が入ってますね」

 そう言いながら、真生はクローゼットを振り返っている。

「かけてみるか」
と見知らぬ女を連れ、高坂は自室に戻った。

 蓄音機にそのレコードをかけると、物悲しいメロディが流れ始める。

 いつか聴いた気がする曲だった。

 なんとなく、二人で向かい合うように椅子に座り、目を閉じて、その曲を聴く。