いつか、あなたに恋をする――

「最近、ここに現れるという、俺が見たことも触ったこともない俺の愛人は」

 渕上婦長が言っていた、と言うと真生は苦笑する。

「その注射器はなんだ?」

 殺人兵器か? と問うと、

「いえいえ、これはですね。

 知人が貸してくれたもので、ちょっと意識がなくなるだけなんです。

 だから、早くどうにかしないと、この人」
と言ってくる。

 いや、どうにかと言われても、と高坂は男を見下ろした。

 今、八咫は居ないし。

 とりあえず、縛っておくか、と思う。