いつか、あなたに恋をする――

 ふーん、と流す八咫を見つめていると、
「なんだ、真生。
 惚れたのか」
と八咫がロクでもないことを言ってくる。

 違いますよ、と言うと、
「じゃあ、二人で居るのを邪魔したからか」
と高坂を見ながら訊いてきた。

「違います。別にいいんです」

 ちょっと出てきます、と真生は廊下のドアを開けた。

 その瞬間に飛んでいた。

 最後に高坂がこちらを振り返ったような、そうでもないような――。

 気がついたら、真生は、廃病院の廊下に居た。

 ひんやりとしたその暗い空間に、ぞくりとする。

 なんで、今、ここに飛んだ?

 あの死体を引きずった日以外は、飛んだら、必ず、未来に戻っていたのに。

 見れば、まだ廃病院の端が焼け落ちていない。