いつか、あなたに恋をする――

 過去と未来と、そして、また、その過去と。

 いつか、と真生が呟くと、ん? と高坂が訊き返してくる。

「いつかあなたが私の腕をつかんでいて、私だけが未来に飛んだ。

 あなたは一緒には飛べないんですかね?

 こっちでレコードかけてる人だから?

 それとも……」

 蘇った死者だから?

 真生はその胸に顔を寄せ、目を閉じた。

 こうしていると、確かにあなたの心音を感じるのに。

 高坂の手が肩を抱く。

 雨の柔らかな音。

 薄いカーテンの向こう、ガス燈の周りに振り注ぐ霧雨を思い浮かべる。

 ぼんやりとした灯りの中のそれは、光を含んで広がり、綺麗なのだろうな、と真生は思った。