放課後、真生は坂部に鍵を貰い、礼拝堂に行った。 自然に、あの曲が頭に流れる。 思わず、口ずさみそうになりながら、軋む扉を開けたとき、目の前に、黴臭い木造の廊下が見えた。 そこは、自分が人を殺して引きずった、あの廃病院の廊下だった。 足許に転がされた死体を見ていると、後ろ頭に銃を突きつけられる。 「小娘、お前は何者だ」 ふいにした声に、心臓が跳ね上がった。 この声は――。 斗真のものと似ていて、ちょっと違う。 斗真よりも深みがあって静かな波紋のようなこの声は――。