もうすぐ創立記念祭だ。

 休み時間にもその準備をしている者も居り、楽しげなざわめきが風に乗って聞こえてくる。

 だが、真生はさっきの悪夢を追うように、階段下を振り返った。

 男の霊が這い上がってくるのが見えた気がしたが、幻だった――。

 ほっと息をつく。