いつか、あなたに恋をする――

 長いスカートのナース服を着た女が立っていた。

 この人の母親くらいの年かな、と思い、少し、ほっとしていた。

 ぺこりと他人行儀に頭を下げた自分に、彼女は笑って言ってきた。

「どうしたんですか? 真生さん。

 珍しく神妙な顔しちゃって」

 どうやら、この人も自分を知っているらしい。

 そして、この人の前でも平常通りに行動しているようだな。

 この言われよう、と少し冷静さを取り戻して思う。

「婦長、真生は相変わらず、人前に出たくないようだから、済まないが、時間が出来たら、様子を見に来てやってくれないか?

 俺は軍に戻るから。

 ……まあ、医者がひとり消えていることがバレれば、いずれ呼び出しはかかるだろうから。

 俺から先に行って報告しておいた方が好印象だろう」

 じゃあ、真生、と振り返った男の袖を真生は握る。

 男は少し笑い、
「大丈夫。
 すぐ帰るから」
と自分の瞳を覗き込むようにして言った。