いつか、あなたに恋をする――

 軍服の硬い肌触りと嗅いだことのない匂い。

 見た目以上に筋肉質なその身体を感じながら、真生は、ああ、やっぱり斗真じゃないや、と思っていた。


 軍服や匂いのせいではなく、自分を見つめる男の顔に、どきりとしていたからだ。

 斗真もふとしたときに、こうして自分を見つめていることがあるが、こんな風に自分の鼓動が速くなったことはない。

 来い、と男は真生の手をつかみ、歩かせようとした。

「洗ってやる」

 だが、その瞬間、今まで麻痺していた感情が一気に戻ったかのように、足が震えて動けなくなる。

 初めて会った人なのに、何故、自分はこの人に気を許し、すがろうとしているのか。

 ……きっとこの瞳のせいだ。

 真生は男を見つめる。

 男は血のついたままの真生の唇に唇を重ねたあと、真生を抱き上げた。